2025年12月のテーマ写真館




 《 海藻 》


胞子で繁殖する「海藻」のほとんどの種は海底に根のような付着器で固着しています。褐藻類、紅藻類、緑藻類の三つの群に分かれていますが色による区分は難しいです。刺身のツマ、みそ汁の具、海苔、だし昆布、佃煮など食用ばかりでなく、カジメやアラメは抗酸化力が強く海藻風呂、テングサから作られる寒天培地は微生物や細胞の培養、バイオエタノールの原料、微細藻燃料、ヨウ素(ヨード)製造、硝石製造、肥料、アルギン酸はさまざまな医療分野、海藻クリスタル、抗菌物質、紅藻類から抽出されるカラギナンも工業製品とし幅広く利用されています。

天然コンブ

ジャイアントケルプ

カジメ


ヤツマタモク

オニワカメ

ジガミグサ


テングサ

オオバロニア

リシリコンブ


クビレズタの仲間(ウミブドウ)

マコンブ

フサノリ


アサクサノリ

マメタワラ

マクサ(テングサ)


フサイワズタ

フトモズク

ワカメ


アナアオサ

アラメ

ヒジキ


クロメ

ヒラフサノリ

ウミトラノオ


 ◆ 海の一言 :『海草(かいそう、英:Seagrass)』


「海藻」は隠花植物で藻類ですが、「海草」は海産顕花植物で、「海藻」と同音異義語のため、海草を(うみくさ)と呼ぶこともあります。陸上植物と同様に根・茎・葉を持ち、種ができる種子植物です。「海草」は陸に適応した後に海で生きていくように進化したと考えられています。海中で花を咲かせるアマモのような「海草」は生息環境も浅い沿岸域の、砂や泥の海底に根を張って生育します。「海草」類は多年草で、地下茎を分枝させて増える栄養繁殖を行う種もあります。熱帯から寒帯まで分布し、世界には約60種の海草類がありますが、日本にはアマモ属の、アマモや小型のコアマモが多く、細長い葉をしていますが、丸い葉で小型のウミヒルモなどもあります。北方系のスガモやエビアマモは波あたりの強い岩礁にも固着して生育することができます。海草が密生して生える海草藻場のうちアマモ属が群生する場所を「アマモ場」と呼ぶこともあります。海藻とともに温暖化ガスの二酸化炭素を吸収する、「ブルーカーボン」として、保護・育成する取り組みも行われています。

アマモの仲間

ウミショウブ

アマモ




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。