2024年12月のテーマ写真館




 《 柱状節理(columnar joint) 》


節理と呼ばれる規則性のある割れ目を持つ地質構造で、多くの種類の火成岩で起こり、岩が冷えて収縮する際に形成され、割れ目によって多角柱の規則的配列構造が形成されます。柱の直径は3mから数cmまで様々で、高さは30m以上のものもあり、個々の柱の側面の数は3面〜8面までで、6面のものが最も一般的です。日本では、福井県の「東尋坊」が有名で、輝石安山岩の柱状節理で、これほどの規模を持つものは世界に3ヶ所だけとされています。今から約1,300万年前の新生代第三紀中新世に起こった火山活動で、マグマが堆積岩層中に貫入して冷え固まってできた火山岩だそうです。また、津軽海峡に面した下北半島の西北部の「仏ヶ浦」には、海抜100m級の柱状節理の岩壁や巨岩が約2〜3kmにわたって点在しています。長崎の生月島の塩俵にある柱状節理の断崖も見ものです。海外では、オーストラリアのタスマニア島南東部のタスマン半島の最南端に位置する「ポイント・ラウル(ラオウル岬)」は、柱状節理で形成された列柱で、マグマ溜まりが適切な速度で冷却され、表面が収縮するにつれて多角形の板に割れたときに発生したそうです。北アイルランドの「ジャイアンツ・コーズウェー」は、6千万年前の火山活動によって作られ、伝説によれば、巨人がスコットランドへの土手道(コーズウェイ)として作ったそうです。

ラオウル岬

東尋坊

ジャイアンツ・コーズウェー


鉾島、福井

ラオウル岬

塩俵の断崖、生月島


ラオウル岬

ジャイアンツ・コーズウェー

仏ヶ浦


畳石、奥武島

越前松島

ジャイアンツ・コーズウェー


 ◆ 海の一言 :『ドルフィン(Dolphin)』


ドルフィンにはいくつかの意味がありますが、「イルカ」と魚の「シイラ」が知られています。Dolphinの語源は、海洋哺乳類の名称で、14世紀中頃からの用語「dolfin」は、フランス語の「daulphin」、中世ラテン語の「dolfinus」、ラテン語の「delphinus」、ギリシャ語の「delphis」などで、「イルカ」からきているそうです。イルカは海に棲みながら子供を産むため「子宮」を意味する「delphys」と関連があると言われており、子供を産む動物という概念によるか、またはその形状によるものかもしれません。魚の「シイラ」は英名「Dolphinfish」で、イルカのように船について泳ぐからと言われ、略して「Dolphin」です。アメリカでは全てのイルカを指す語としてporpoiseが使われ、イギリスで口吻を持つイルカをdolphinと呼んで区別していたが1970年代半ばに英米の学者が「鼻先のとがったイルカ」=ネズミイルカ科のみをporpoise(ポーポス)と呼び、他の種類をDolphinと呼ぶと決定して学術的には統一されたそうです。

ネズミイルカ

バンドウイルカ

シイラ




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