2026年2月のテーマ写真館




 《 モンツキカエルウオ 》


スズキ目・イソギンポ科・カエルウオ属の魚で、カエルウオの仲間としてはやや大型で、全長9〜12cmになります。屋久島以南、インド‐太平洋の亜熱帯・熱帯域に棲息し、体に多数の橙色斑がちりばめられ、レッドスポッテッドブレニーの別名で知られます。外洋に面した浅い岩場やサンゴ礁域の小さな穴を巣にし、珪藻を好んで食べます。穴から頭部だけを覗かせて外を見張っている事が多く、餌にする珪藻をそぎ取るのに都合が良い分厚いキュートな唇から笑っているような顔をした可愛い魚です。雄が雌を誘って自分の巣穴の入り口の内側壁面の周りに産卵させます。



オスの婚姻色

オスの婚姻色

卵を守るオス




 ◆ 海の一言 :『カエルウオ』


潮だまりの岩の上を胸びれと尾びれを使って跳んで移動する動作や、唇が厚く頭の前端が垂直で、目が上縁にある様子がカエルに似ていることが名前の由来とされています。しかし、陸上に出る行動はあまり確認されていないようです。千葉県から屋久島にかけての太平洋岸と、兵庫県から九州南岸にかけての日本海岸に広く分布するとされます。新種発表の際に標本が神奈川県の江の島産であったことにちなんで(学名:Istiblennius enosimae)と「エノシマエ」の名を授かっています。同じスズキ目・イソギンポ科のヨダレカケやタマカエルウオは、水中に入るのを嫌い、波しぶきのかかる陸上・磯部でよく見られます。魚なのにエラ呼吸だけでなく皮膚呼吸ができるためですが、皮膚がしめっていなければ呼吸できないため、水は苦手でも水の近くで生活しています。




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