2013年12月のテーマ写真館




 《 アザラシ 》


「アザラシ」の名は、日本近海に棲むアザラシに、「痣」のような斑点模様があるため、「アザラシ」と呼ばれるようになったそうで、あまり可愛いイメージがありません。しかし、白いご飯の上に黒いゴマを散らしたような「ゴマフアザラシ」が「ゴマちゃん」で、白い産毛の子供は大人気です。日本近海にはこのほか、「アゴヒゲアザラシ、ゼニガタアザラシ、クラカケアザラシ、ワモンアザラシなどが見られます。「アザラシ」は南極から北極まで世界中の海に棲息し、中にはバイカルアザラシ、カスピカイアザラシのように湖に暮らす種類もいます。「アザラシ」というと寒い、冷たい氷の海を連想しますが、中にはサンゴ礁などに暮らすモンクアザラシ属もいます。しかし、人間の生活圏と重なり、カリブモンクアザラシは絶滅が宣言され、チチュウカイモンクアザラシはヨーロッパで「もっとも絶悦が危惧される哺乳動物」で、見るも困難で、ハワイモンクアザラシもその数が減っています。特徴があるのがキタゾウアザラシとミナミゾウアザラシで、雄の長いゾウのような鼻が特徴です。アザラシは魚やタコ、イカ、カニ、エビ、オキアミなど何でも食べますが、ヒョウアザラシは他のアザラシの子供やペンギンを食べることで知られます。たくさんのアザラシがいますが、いずれも赤ちゃんの時の産毛のコート姿が可愛いらしいですが、産毛は数週間で抜けて生え変わってしまうため、出産直後で無いとなかなかお目にかかれません。

関連書籍
「海獣たちの地球」(誠文堂新光社刊)中村庸夫・著
「おひるねアザラシ」(実業之日本社刊)中村庸夫・著
「タテゴトアザラシの赤ちゃん」(講談社刊)中村庸夫・著
「ズームイン・アザラシ」(旺文社刊)中村庸夫・著
「七つの海の物語」(データハウス刊)中村庸夫・著
「マーメイド・ドリーム」(TOTO出版刊)中村庸夫・著


ハワイモンクアザラシ

キタゾウアザラシ

ゼニガタアザラシとゴマフアザラシ


パシフィックハーバーシール

タテゴトアザラシの赤ちゃん

タテゴトアザラシの授乳


カニクイアザラシ

ヒョウアザラシ

ロスアザラシ


ミナミゾウアザラシ

ウェッデルアザラシ

チチュウカイモンクアザラシ


クラカケアザラシ

ズキンアザラシ

ズキンアザラシの親子


アゴヒゲアザラシ

ハイイロアザラシの換毛中の子供

ハイイロアザラシ


バイカルアザラシ

ゴマフアザラシの親子

カスピカイアザラシの子供


 ◆ 海の一言 :『海獣類とは?』


世界の海、川や湖にはクジラやイルカ、マナティー、ジュゴン、アザラシ、アシカ、オットセイ、セイウチそしてラッコなど水に頼る哺乳動物が棲んおり、クジラ、イルカは「鯨類」、ジュゴンやマナティーは、「海牛類」、アザラシやアシカ、オットセイ、セイウチなどは「鰭脚(ききゃく)類」または鰭足(ひれあし)類と分類されます。「鰭脚類」は形態からアシカ科、アザラシ科、セイウチ科の3つに分類され、アシカ科にオットセイ亜科・アシカ亜科が含まれ、ラテン語でPinnipediaと呼ばれ、「羽・翼」を意味するpinnaと、「足」の意味のpesの組み合わせで、「ひれ足類」とも呼ばれ、前鰭がペンギンの羽のような形状をしています。こうした動物の分類とは別に、動物の生活圏や行動様式により便宜的にグループ分けがあり、「海獣」と言う言葉が使われます。分類には関係なく「海」=「水」を頼って生きる「獣」を指し、英語では「海の哺乳類」で「Marine Mammal」とされます。そのため、イタチ科と共通祖先を持つ「ラッコ」も海獣類で、最近は「ホッキョクグマ」も海獣類だ」とする学者もいます。すると、「カワウソ」や「カバ」も、「水に頼って生きる動物」なので「海獣類」と呼んでも良いのではないでしょうか?

ホッキョクグマ

カバ

セイウチ




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