2024年4月のテーマ写真館




 《 カリフォルニアアシカ(California sea lion) 》


「カリフォルニアアシカ」は世界中の水族館・動物園で数多く飼育され、水族館で「アシカ」といえば、カリフォルニアアシカのことが多く、運動神経が抜群でかなり高度な芸を見せてくれます。名前の通りカリフォルニア州を中心に、北アメリカ南部〜メキシコの沿岸に生息し、生息数も約18〜20万頭と多く、防波堤やブイ、桟橋などでも休むためよく知られています。イカや魚などを食べ、雄は全長2m以上、体重270kg以上になり、大きなものは全長2.4m、体重390kgにも達するそうです。雌はやや小さく、全長1.8m、体重90kg程度にしかならないそうです。5〜7月の繁殖期になるとカリフォルニア州のサンタバーバラ諸島やメキシコ沿岸の島々で繁殖(交尾・出産)を行います。まずは雄同士が陸上で争い、勝ったものがハーレムを作り、最大16匹の雌と交尾します。妊娠期間は約1年間で、母親は水中、陸上のどちらでも出産でき、子供は半年から一年ほど母親の母乳で育てられます。生後2か月頃から仲間と一緒に泳いで遊んだり、親に教わって泳ぎ、やがて自分で餌をとる方法も覚えます。社会性の高いアシカで、親を亡くした他の子供の面倒をみるものもいるそうです。子供たちは独り立ちしたあと4〜5歳ぐらいで性的に成熟し、繁殖に加われるようになります。繁殖期のあと、雌のカリフォルニアアシカはそのまま南の海域にとどまりますが、雄はアメリカ北部や、カナダまで北上し、豊富な餌を食べて冬を過ごします。泳ぐスピードは普段は時速10km位で、短い時間なら時速40km程のスピードで泳ぐことができ、平均30〜100m、最高で200mを超える深さにまで潜って餌をとるそうです。

目の前にやって来る

若い個体が防波堤で休む

四つ足でバランスをとる


生まれたばかりの赤ちゃん

水面から一斉に顔を出す

若い個体


アルビノ

ひれ状の前足で泳ぐ

若い個体の群れが魚を追う


母親の背中で甘える

マンボウを食べる

ひれを水面から出して体温調節


じゃれ合う若い個体

おでこが出た雄

若い個体


ボートの上も休息場

ブイの上で休む

ピアを占領して人間は立ち入り禁止


客が投げる輪を受ける

様々な芸を行う

バランス感覚が抜群


 ◆ 海の一言 :『藻場』


海藻が生い茂る海中を藻場と呼び、「アマモ場」、「アラメ・カジメ場」、「コンブ場」、「ガラモ場」などがあります。
●「アマモ場」は内海の砂泥域に繁茂する海草のアマモやコアマモなどを主に構成される藻場で、魚の産卵場や幼稚仔魚の保育場となります。
●「アラメ・カジメ場」は黒潮海域の沿岸に発達するアラメ属とカジメ属の海藻類などが繁茂する岩礁にでき、アワビやサザエ、ウニなどの餌となります。
●「コンブ場」は、寒流域の北方の岩礁にコンブ類などを主に構成される藻場です。
●「ガラモ場」は対馬暖流域の沿岸や瀬戸内海などに生育するホンダワラ属などから構成される藻場で、岩場に繁茂して卵形の気泡を作り、海中に立ち上がります。メバルなど魚類が集まり、産卵の基質となり、幼稚魚の成育する場となります。そして、切れた藻は水面に浮かんで「流れ藻」となり、潮流や海流に乗って漂い、様々な魚の産卵が行われ、稚魚の洋上における格好の隠れ家となります。

アマモ場

カジメ場

コンブ場




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。