連載 「今月の赤ちゃん」 2022年9月号


〜 キンチャクダイpart2 〜

キンチャクダイ科の魚で、学名(Chaetodontoplus septentrionalis)の種小名は「北」を意味し、同じキンチャクダイ科の近縁種より北方に分布することに由来します。和名の「巾着鯛」は布などで作られ、入り口をすぼめて閉じる「巾着」と呼ばれる手提げ袋があり、この魚を頭を上にしてぶら下げると、閉じられた巾着の形に似る事からきたものです。温帯域に適応した種で、相模湾以南、韓国、台湾、中国など西部太平洋のサンゴ礁ではない岩礁域エリアの30m以浅に生息します。成魚の体長は約20cm。胸鰭・尾鰭・腹鰭は黄色で、黄褐色の地に鮮やかな青色の縦縞が頭から尾の付け根まで入りますが、地域的な変異も多く知られています。幼魚は黒い地色に鰓蓋付近を通る鮮やかな太い黄色横帯が1本あり、浅瀬でも見られます。雑食性で主にカイメンやホヤなどの付着生物をついばむようにして食べます。


キンチャクダイ幼魚

キンチャクダイ若魚

キンチャクダイ成魚





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