連載 「今月の赤ちゃん」 2024年5月号


〜 ツユベラpart2 〜

幼魚と成魚で、これが本当に親と子供なのか?と思うほど体色が大きく異なる魚で、幼魚時代は、赤い体に黒く縁どられた白色斑が入るのが特徴ですが、成魚に近づくにつれて想像もつかないほど異なった体色になります。リーフ際などの死サンゴの転石ゾーンでよく見られ、幼魚はコントラストがクッキリして毒々しいほど派手な色合いで、4〜5cmくらいまではこの色彩のままです。5cmを超えると尾ビレに一番近い白斑周辺から小さな青点が出てきます。この青点が、成魚になり始めで、この青い点がハッキリ現れ、さらに青点が体全体へと広がり、体色もオレンジベースではなくなります。多くのベラ類同様、雌性先熟で体の中ほどに白い帯が現れてまずは雌になります。その中で大きな雌が雄になりますが、雌は体中に青点が散らばっているのに対し、雄の青点は尾ビレの付け根付近に集中し、黄色い尾ビレには赤い縁取りが出てきます。


ツユベラ幼魚

ツユベラ若魚

ツユベラ成魚





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。