連載 「今月の赤ちゃん」 2024年10月号


〜 アカククリpart2 〜

マンジュウダイ科のアカククリは、琉球列島以南の西部太平洋、アンダマン海、ペルシャ湾のサンゴ礁域に生息しています。全長約35cm程になり、単独や数尾でいる場合が多いですが、群れることもあります。幼魚はヒレを含めて高い体高で、体色は黒く、オレンジ色の縁取りがあるのが特徴で、この幼魚の色彩から「アカククリ」の名前が付きました。幼魚は、背・尻ビレの長さが成長ととともに伸び、毒のあるヒラムシの仲間に擬態をしていると考えられています。成長につれて体色や体型は変化し、若魚ではやや縦長の三角形となり、体側中央付近に白いバンドが現れます。さらに成長すると、体側に白っぽい帯が現れ、成魚になるとトランプのスペードのような形となり、体色も銀・灰色と明るくなります。他のツバメウオとは、この種のみ吻端が尖ることで区別できます。


アカククリ幼魚

アカククリ幼魚

アカククリ成魚





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。