連載 「海の名前」 2023年12月号


〜 漁火(いさりび) 〜

漁船が魚やイカなどを誘引するため、船上で夜間に灯りとして焚いた火のことで、現在の集魚灯に相当します。漁火を焚くと明るさに惹かれてプランクトンが集まり、それを狙って小魚がやって来て、その小魚やプランクトンを食べるためにさらに大型の魚やイカが集まるのを狙います。サンマの棒受網漁では片舷に光を焚き、魚が集まったところで片舷の電気を消し、反対舷のライトをつけると、船の下をくぐって反対舷に移動する習性があるため、そこを狙って網を仕掛けて獲ります。集魚灯は明るく、人工衛星からもはっきりとみられます。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真






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