連載 「海の名前」 2024年12月号


〜 生物発光 〜

生物発光は、生物が光を生成し放射する現象で、化学的エネルギーを光エネルギーに変換する化学反応の結果として発生します。海棲および陸生の無脊椎動物と魚類や、原生生物、菌類などにも見られ、発光する生物の多くは、これを自力で合成しますが、中には発光する生物を共生させ、それによって光るものもあります。また、発光生物を餌として食べ、それによって得られた成分を、自分の発光に使う例も知られています。生物発光の目的は、誘引・獲物を誘うルアーとして、チョウチンアンコウなどの深海魚に使用されています。また、交尾相手を誘引するためや、発光バクテリアを含む液を、イカの墨のように使用して煙幕のように発光することで、捕食者を撃退する生物もいます。発光する部位は、生物によって様々で、全体に光るものもあるが、特に決まった場所だけが光るものもあり、また、体内で光るものと、発光物質を体外に放出するものなどがいます。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


ヒカリキンメダイ

ホタルイカ

オワンクラゲ





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。