連載 「海の名前」 2025年2月号


〜 リアス式海岸 〜

海岸線に対して沖合に向かって伸びる河川により侵食されてできた山地や丘陵の谷が、海水の侵入により溺れ谷になり、それが連続して鋸の歯のようにギザギザに連なっているような地形を「rias coast」(英語)リアス式海岸、またはリアス海岸と呼びます。せまい湾が複雑に入り込んだ沈水海岸のことで、入り江内は波が低く水深が深いため、港として古くから使われ、河川が流れ込み汽水域としての環境もあり、沿岸漁業や養殖などの漁業が営まれています。しかし、湾口に較べて奥の方が狭く浅くなっているため、沖合では低い津波も波高が急激に高くなり、大きな被害をもたらす危険があります。

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「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


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