連載 「海の名前」 2025年11月号


〜 トンボロ(陸繋砂州:Tombolo) 〜

イタリア語で「Tombolo」は、離れた島を本土や本島と繋ぐ「州」のことを言い、繋がれた島は「陸繋島」と呼ばれます。トンボロは、沖からの波が島に阻まれて静かになり、砂がたまって「砂嘴」ができて繋がる場合や「尖角州」が成長して繋がる場合があります。干潮時にのみトンボロが顕れ、歩いて島に渡れるようになる「トンボロ現象」が起こる場所もありますが、完全に島との間を埋めてしまうものもあります。日本三大トンボロと数えられるのが北海道函館の旧市街地で、函館山との間に形成された砂州の上に街ができています。江の島や福岡県の海の中道などトンボロは各地にたくさんあります。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


トンボロと陸繋島、アラスカ

トンボロ状が市街地の函館

江の島も陸繋島





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