連載 「海の名前」 2026年3月号


〜 島 〜

島とは、一般的に周囲を水で囲まれた陸地のことをいい、内陸の川や湖にあるものも含みます。地理学上はオーストラリア大陸よりも小さい陸地をいい、世界の島の中で面積最大の島はグリーンランドです。海洋法に関する国際連合条約では「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」と定義されています。国際条約とは別に各国、各地域、各機関で様々な定義が行われ、「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。」ともしているため、広義の「島」と「岩」に条約上の扱いが分かれるので注意が必要とされます。スコットランドでは島は「人が住み、最低一頭の羊を養える牧場がある」ものという定義があり、日本の海上保安庁は「満潮時に海岸線の延長距離が100m以上の陸地」を島と定義しています。一方、国土地理院は「航空写真に写る陸地」を島、と定義し、島未満の地形として、暗礁や洗岩、干出岩、水上岩からなる岩礁があります。国連訓練調査研究所(UNITAR)は1966年に「島」を「海洋に囲まれた人口100万人以下の小島嶼」と定義し統計を公表しているそうです。各機関でいろいろな定義があり、排他的経済水域が複雑に絡むため、各国は自国に有利な独自の解釈をしているようです。複数の島が集団になっているものを諸島、塊状のものを群島、列状のものを列島などと呼ぶ事もありますが、諸島と群島は明確に区分できません。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


オーストラリアのサンゴ島

千島列島の火山島

瀬戸内海の群島





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